こんにちは。人材育成トレーナーの太田章代です。
席次は、単に「どこに座るか」だけを決めるルールではありません。ビジネスでは、相手への敬意を形にして表す役割がありますが、席次に関しても例外ではありません。
この記事では、会議室・応接室・エレベーター・タクシー・社用車・新幹線の6つの場面で、どこが上座になるのかを紹介します。上座・下座を暗記するだけでなく、「なぜその位置なのか」、そして相手の希望や安全を優先する例外まで解説します。
新人・若手社員の方はもちろん、部下に席次を教える立場の方にも役立つ内容です。読み終える頃には、初めての場所でも座る席に迷わなくなります。ご自身ならどこを選ぶか考えながら読んでみてください。
上座・下座は「絶対のルール」ではない
席次はマナーの一つですが、マナーの本質は相手への思いやりです。「絶対にこうしなければならない」というものではありません。
相手がいちばん居心地のよい場所であるかが重要であり、相手の希望が最優先です。そのうえで、一般的な順番を知っておきましょう。
会議室に入ったとき、どこが上座か
会議室で、上司やお客様にどの席をすすめるかという場面です。

✕ : 出入口に近い席を上司やお客様にすすめる
◯: 出入口から最も遠い席が上座。出入口に近づくほど下座になる
出入口は人が行き来するため、落ち着かない場所です。最も奥の席は静かで居心地がよいので、いちばん目上の方に座っていただきます。
太田章代分からなければ上司・先輩に聞く
新人のうちは、「ここだろう」と思い込んで座ると、かえって失礼になることがあります。最初のうちは上司や先輩に確認しても失礼ではありません。ぜひ聞いてみてください。
スクリーンやモニターがある会議室の場合
正面にスクリーンやテレビなど、何かを映す設備がある会議室の場面です。

✕ : 原則どおり、出入口から最も遠い席を上座と考える
◯: スクリーンが最も見やすい真ん中の席が上座
映すものがある部屋では、画面がいちばん見やすい席が最も居心地のよい席になります。映画館でも、いちばん見やすいのは真ん中ですよね。また会議では、いちばん上の上司が真ん中に座るほうが、進行役として場をまとめやすいという理由もあります。
応接室でソファーと一人がけの椅子がある場合
応接室に、長椅子のソファーと一人がけの椅子が置かれている場面です。

✕ NG: 座りやすそうに見える一人がけの椅子をお客様にすすめる
◯ OK: 長椅子のソファーの、出入口から遠い端が上座
長椅子はゆったり座れるため、お客様が座る席です。一人がけの椅子は、自分の会社の人が座る席になります。
順番は
ソファーの出入口から遠い端 → ソファーの出入口に近い端 → 一人がけの椅子です。
太田章代ソファーに3人で並ぶときの順番は?
例えば部長・課長・新人の3人で訪問し、ソファーに並んで座る場合は、出入口から遠い端に部長、真ん中に課長、出入口に近い端に新人が座るのが基本です。 ただし、プレゼンテーションをする人など、いちばん話す人が端では話しづらい場合は、いちばん上の方が真ん中に座ることもあります。
エレベーターに上司と乗るとき
上司や先輩と一緒にエレベーターに乗る場面です。

✕ NG: 上司を操作盤の前に立たせる
◯ OK: 操作盤の前が下座。操作盤から最も遠い奥が上座
操作盤の前に立つのは、上司や先輩のために操作をし、誘導をサポートする役割だからです。上座は、その操作盤から最も遠い場所になります。
太田章代操作盤の前に立てない時は?
エレベーターには他社の方も乗ってくるため、新人でも操作盤の前に立てないことがあります。その場合は上司や先輩に先に乗っていただき、自分は入口の近くに立ちましょう。降りるときは自分がいちばんに降りて、扉を押さえる配慮をします。 「上司は奥、部下は前」と覚えておけば失礼にはなりません。
タクシーに上司と乗るとき
上司やお客様とタクシーに乗る場面です。

✕ NG: 座り慣れているから、すぐに降りられるからと、助手席を上座と考える
◯ OK: 運転席の後ろが上座。次に助手席の後ろ、助手席が下座
安全面の理由で運転席の後ろが上座です。この席はいちばん安全な席といわれています。
太田章代1. 相手が座りたい席を優先する
タクシーは歩道側、つまり助手席の後ろの扉しか開かないことがあります。すると運転席の後ろに座る人は、奥まで腰を浮かせて移動しなければなりません。足が悪い方は、奥の席に座りたがらない場合があります。 その方が「ここがいい」とおっしゃるなら、その席に座っていただくのがいちばんのマナーです。
太田章代2. 後部座席に3人で座るとき
後部座席の真ん中は、左右を人に挟まれて圧迫感があり、居心地がよくありません。そのため、運転席の後ろ → 助手席の後ろ → 真ん中の順になり、窓側の2席より下座になります。
社長や上司が運転する車に乗るとき
社用車などで、同乗する方が運転する場面です。

✕ NG: 社長が運転しているのに、タクシーと同じように助手席を下座と考える
◯ OK: 社長など会社のトップが運転する場合は、助手席が上座。その次が後部座席
助手席には、運転する人をサポートする意味があります。タクシーでも、助手席の人が行き先を告げたりお金を払ったりしますよね。社長が運転しているときは、次の役職の方が話し相手として助手席に座り、社長に失礼のないようサポートします。
太田章代新人が運転する場合はタクシーと同じ
新人が運転するときに社長が助手席に座ると、新人にとってはプレッシャーになります。そのため新人が運転する場合は、タクシーと同じく運転席の後ろが上座、助手席が下座になります。 誰が運転するかで上座は変わると覚えておきましょう。
新幹線で上司と並んで座るとき
新幹線の3人がけの座席に、上司と並んで座る場面です。

✕ NG: 窮屈な真ん中の席を上司にすすめる
◯ OK: 窓側が上座。次に通路側、真ん中が最後
窓側は景色が見える席です。真ん中はタクシーと同じく窮屈なため、3番目になります。
太田章代通路側を希望されたら、その席に
上司によっては「お手洗いに行きたいから通路側がいい」という方もいらっしゃいます。その場合は、希望の通路側に座っていただきましょう。
基本を押さえたうえで、相手の居心地を最優先に
席次で大切なのは、上座と下座の位置を覚えることだけではありません。基本を押さえたうえで、相手が気持ちよく過ごせるかを考えることです。
部屋の設備、乗り降りのしやすさ、相手の希望によって、最適な席は変わります。迷ったときは決めつけずに一言確認をして、失礼のないように心がけてください。

