4月、新入社員が入ってきて、こんな悩みはありませんか?
「どう接すればいいのか分からない」 「厳しくすると辞めてしまいそうで怖い」 「でも、このままでは成長しない気がする」
多くの上司がこの“優しさと厳しさのバランス”で悩んでいます。結論からお伝えします。新人が辞めるか、続けるかの分かれ道は何を言ったかではなくどう伝えたかです。
ここでは、今どきの新人の育成法についてお伝えします。
優しすぎて辞めた新入社員
優秀な人材ほど、生ぬるい環境だと早期退職が多い。これは、私が人材育成に関わって20年の経験の中で感じたことです。実は、厳しいことを言ったから辞めるのではありません。逆に、何も言われないことに不安を感じて辞めていくケースも多いのです。
優秀な人材は、自分が成長できる職場を求めています。しかし、上司が
「新人だから仕方ないよ」
「最初から無理しなくていいからね」
と何も指導してくれないことに不満を持ちます。一見、優しい言葉ですよね。しかし新人からするとどうでしょうか。
「自分は期待されていないのではないか」
「何も言われないから、何が正解なのかわからない」
そんな不安を感じてしまうのです。
「評価」を「批判」と捉えて辞めた新入社員
一方で、厳しいことを伝えたら辞めた優秀な新入社員Tさんがいました。彼もまた、自分が成長できる環境を求めていたのになぜでしょうか。それは、伝え方が悪かったのです。
Tさんは、自分の所属部署に配属になる前に、会社全体を把握するため、異なる部署の上司と同行して学んでいました。1ヵ月が経ち、同行していた上司から、Tさんについてフィードバックがあったのです。
「Tさんは言葉遣いが馴れ馴れしく、礼儀を欠いているところがある」。そう伝えられたのです。Tさんは、その後「自分は嫌われている。そんな会社に残っても成長できる気がしない」とモチベーションを下げ、早期に辞めていきました。
このフィードバックの大きな問題点は、悪いところだけ指摘して、改善策や今度の期待など前向きな要素がないことです。つまり、部下の成長を願う気持ちが込められていないということです。
太田章代人格の否定ではなく、成長につながるアドバイスを心がける必要がありますね。
新人の成長は伝え方が大切
辞めずに成長していく新人に共通しているのは、伝え方が上手な上司に出会っていることです。伝え方のポイントは3つあります。
事実を伝える
焦点は「人」ではなく、「事実」にあて具体的に伝えます。
✕ なんでそんなミスするの
〇 この資料の数字が、2か所間違っていたよ
良い点も伝える
ダメなところだけでなく、できている部分を先に認めます。
✕ ミスがあるから、提出する前にしっかり確認をするように
〇 最後まで責任を持って完成できたね。漢字変換のミスが3か所あったから、今後は提出前に確認できたら完璧だね。
期待を乗せる
「あなたはできる」というメッセージを添えます。
✕ 簡単なミスは、自分で見つけるように
〇今回は簡単なミスがあったけれど、あなたなら次は防げると思う。確認作業を1つ増やしてみよう。
これができると、同じ指摘でも否定ではなく成長のフィードバックに変わります。
厳しさの土台は尊重する気持ち
叱ることの本質は、相手を否定することではありません。相手の成長を願って、必要なことを伝えることです。土台にあるのは部下を尊重する気持ちです。
この尊重がないと、ただのきつい言葉になり、新人の心は離れていきます。しかし尊重があれば、多少厳しい言葉でも伝わります。
新人はとてもよく見ています。
「この上司は自分のことを見てくれているのか」
「本気で関わってくれているのか」
その答えを、日々のたった一言から感じ取っています。優しさだけでも、厳しさだけでも人は育ちません。優しさより、厳しさの方が伝え方は難しいため、役職者は伝え方を学ぶ必要があります。
太田章代言葉の意味よりも「誰が自分のために言ってくれているか」を部下は敏感に感じ取っています。
まとめ
新人が辞めるか、続けるかは、特別な制度や環境だけで決まるわけではありません。日々の関わり、そして上司の一言で大きく変わります。ぜひ、伝え方を変えてみてください。それが、組織と人の成長につながります。
厳しさと優しさのバランスを取って、新入社員を成長させていきましょう。



