人材育成トレーナーの太田章代です
このブログでは、研修・講演2,000回以上、延べ5万人の受講者と関わってきた経験をもとに、人材育成に役立つ情報をお届けしています。
先日、講演で伺った企業の社長と、お話をする機会がありました。
その社長は、経営の専門家として企業から招かれ経営を担う、いわゆる「プロ経営者」です。
社員数は約270名。5年前に社長に就任され、人事制度の見直しや事務所の移転など大きな改革を進め、売上を2.5倍に伸ばしています。
71歳の社長が毎日のように続ける「飲みにケーション」
そんな社長のお話を伺って、まず驚いたのが、「71歳になった今でも、月曜日から金曜日まで、24時前に家に帰ったことがない」ということでした。
その理由を聞くと、社員に順番に声をかけ、数人ずつで毎日のように飲みに行き、コミュニケーションを取っているというのです。
今ではあまり聞かなくなった「飲みにケーション」を、71歳の社長が毎日のように続けています。
50歳近く年齢が離れた新入社員との接し方
特に印象に残ったのが、50歳近く年齢が離れた新入社員との接し方です。
社長が一番気を遣っているのは、「新入社員が、自分に気を遣わないようにすること」だそうです。
年齢も立場も大きく違えば、新入社員が社長に遠慮するのは当然です。
だからこそ、社長から「最近、若者の間で流行っていることは何?」「社会人になってどう?」など、いろいろと質問をして、話しやすい雰囲気をつくっています。
その積み重ねによって少しずつ距離が縮まり、今では業務中でも、新入社員のほうから気軽に話しかけてくれるようになったそうです。
上司から声をかける回数を増やせば、部下からも声をかけてくれる
社長曰く「上司から声をかける回数を増やせば、返報性の法則で、部下からも声をかけてくれるようになる」とのこと。
「いつでも聞いてね」「何でも相談してね」と言うだけでは、なかなか話しかけられません。
まずは上司から声をかける。相手が話しやすい雰囲気をつくる。そのための工夫を、社長自らが実践しているのです。
入社半年で大きな契約を獲得した新入社員の女性
さらに、こんな話もしてくださいました。
新入社員の営業の女性が「今度、取引先とゴルフに行きます」と報告してくれたそうです。
参加者は、全員50代の男性。「その中に一人で行く度胸もすごいけれど、そんな環境でも楽しめる彼女は、本当に頼もしい」と、社長は嬉しそうに話されていました。
その新入社員の女性は入社半年で大きな契約を獲得しており、ご本人も喜んでいるようですが、社長がまるで我が子のように喜んでいる姿が印象的でした。
経営者や管理職の仕事は、気持ちよく働ける環境をつくること
経営者や管理職の仕事は威張ることでも、部下を管理することでもない。部下から信頼してもらい、気持ちよく働ける環境をつくることだと。
気持ちよく働ける社員が増えれば、必ず売上はついてくるとおっしゃっていました。
まずは自分から声をかける。年齢の離れた人に声をかけるのは、少し勇気がいるかもしれません。
でも、その小さな一歩が、話しやすい職場をつくっていくのだと思います。
まとめ
5年で売上を2.5倍に伸ばした71歳の社長は、社員と毎日のように飲みに行き、新入社員には自分から質問をして話しやすい雰囲気をつくっていました。上司から声をかける回数を増やすことで、部下からも声をかけてくれるようになります。部下から信頼され、気持ちよく働ける環境をつくることが、経営者や管理職の仕事だと改めて感じました。


